自己紹介

 

 

 

 

 

こんにちは。

長澤 邦弘です。

 

このたびは、私のつくる

「たっぷり卵のねっとりベークドチーズケーキ」の

ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

 

「たっぷり卵のねっとりベークドチーズケーキ」は

ネットを使ったお取り寄せという形をとっています

ので、通常私のことを知っていただく機会がありません。

 

そこで今回あなたに、少しでも私のことを知って

いただき、あなたとの信頼関係を確固としたものに

するために、この文章を書いています。

 

これからお話しすることは、正直言って

あまり人に話したくないことなんですが、

私自身について知っていただくために、

全てをお話しいたします。

長い文章になりますので、

「長澤のことなど興味無い」とお思いでしたら、

今すぐこの画面を閉じて、あなたの貴重な時間を

他のことに使ってください。

 

 

 

まだご覧になっていますか?

 

ご覧になっていますね♪

 

それでは話を始めさせていただきます。

 

1979年8月28日、神奈川県川崎市で生まれた私は、

公務員の父と専業主婦の母に育てられました。

 

子供時代の私はおとなしい子供でしたが、

両親は私と妹を愛情豊かに育ててくれました。

 

特に夏のキャンプと冬のスキーは思い出深く残っています。

将来の夢はスキー選手になりたい、なんて言っていました。

 

ただ、今思い返してみると、ごく普通の毎日こそが

今の私の根幹と形成したと思えるのです。

なぜなら、私の家は食事を家族全員で食べるのが常識だったからです。

 

当時は何も感じませんでしたが、将来、飲食の道に進む時、

この時に体に染みついた「食事はみんなでたべるもの」

という感覚が、無関係だったとは思えません。

 

食事を家族全員で食べる、、、

すごく当たり前に聞こえるかもしれませんが、

私自身が仕事をするようになって初めて、

これを常識と呼べるまで徹底することの難しさを知りました。

 

あらためて、両親の愛情の深さに感謝しています。

 

では、いつから飲食の道に興味を持ち始めたのか?

といいますと、高校生の頃からです。

 

最初はぼんやりと、おもしろそうだなぁ~、

自分にもできるかなぁ~といった状態でしたが、

いよいよ進学か就職か決めなければ、といった段階で、

大学進学は妹にゆずり、私は就職の道を選んだのです。

 

その時、学校の案内には飲食系の就職先が無かったので、

スーパーの魚屋に就職しました。

 

上司にも恵まれ、18歳から30歳まで勤めましたが、

その間にも頻繁に外食に出かけ、特に洋食屋さんの

雰囲気が好きで、よく通っていました。

 

実は、その時の上司の息子さんが、スペイン料理の

シェフをやっていたので、話も合ったんだと思います。

 

やがて上司が定年退職し、それにに合わせて息子さんも独立。

なんと親子でスペイン料理店を開業したのです。

 

はじめてお邪魔したときには、息子さんの料理に

感動したのを覚えています。

 

私のほうはというと、理解のあった上司の退職後、

社長も変わり経営方針も変わり、

新しい上司にも馴染めず、仕事に行き詰っていました。

 

お恥ずかしながら、この時の私には、仕事の相談が

できる相手はかつての上司しかいません。

正直、当時の職場にはこれ以上いられない気持ちが

ありつつも、30歳になっていた私は、なにより失敗

できないということで、元上司に相談に行きました。

 

すると上司は

「本気で飲食やりたいなら、ウチに入らないか。」

と誘ってくれたのです。

 

おぼろげな興味が、はじめて具体的な形になった気がしました。

 

こうして私は30歳にして、晴れて料理人を目指すことになりました。

 

決して早いスタートではありません。

 

怖さが無かったといえばウソになりますが、

やりたいことをやらずに終わってしまうより、

チャレンジしてみたいという気持ちが勝ったのです。

 

就職した店は、元上司のオーナーの意向により、

ネットで紹介することができないのですが、

地元のお客さんに愛され続ける繁盛店です。

 

当然、料理のクオリティは高レベルが求められます。

 

そこで一年後、31歳になった私は、シェフの紹介で、

本場スペインに料理修行に行かせていただけることになりました。

 

それから何回かに分けて、パスポートだけで滞在できる

3か月間、修行しては帰国し、またスペインに渡っては

3か月の修行というサイクルを繰り返しました。

 

最初と二回目の修行地は、コルドバという街の

「リンコン・デ・チコメディーナ」。

三回目は、この店のオーナーに紹介していただいた、

美食の街サンセバスチャンにある「エル・アローニャ」。

 

どちらもすばらしいお店でしたが、実は

「エル・アローニャ」で、私は最大の壁にぶつかったのです。

 

もともとスペイン語ができたわけではないので、

言葉については苦労していました。

ところが「エル・アローニャ」のある

サンセバスチャンはバスク地方にあり、

このバスク地方にはバスク語という独自の

言語が存在するのです。

 

やっとのことで、少しづつスペイン語を覚えてきた

ところで、まさかの新言語。

それだけではありません。

バスク地方は言語以外にも、風習や慣習、

仕事のやり方まで、全て独特なものが存在したのです。

 

もともとあった孤独感に、ここにきて今まで積み重ねて

きたものが全く通用しない辛さが相まって、

サンセバスチャンに入って早々、私はこれまでにない

挫折感にさいなまれてしまいました。

 

そんな様子を見かねた同僚が、気晴らしに

外出に誘ってくれたのです。

 

「ここ(サンセバスチャン)は美食の街なんだから、

普段食べられないものでも食べにいこう!

なにか食べたいものはないかい?」

 

そう聞かれて、本気でまいっていた私の頭に

浮かんだのは、まさかのスイーツでした。

 

「うん、、、チーズケーキ、が食べたいかな」

「それなら、あそこだっ!」

 

自信満々に同僚が案内してくれたのが

「ラ・ヴィーニャ」というお店でした。

 

店内に入ると、全身を包み込むほどの甘く香ばしい香り。

 

いやでも目に入るほど、大量に並べられたチーズケーキ。

その姿は、私が知っているチーズケーキではなく、

どちらかというと巨大な卵焼きのようでした。

聞けばベークドチーズケーキとのこと。

 

普段からチーズケーキが大好きで、日本でも

休みの日には評価の高いチーズケーキを食べに

出かけていた私にとっても、初めて見るタイプの

チーズケーキです。

 

最初はお世辞にも良い印象ではありませんでした。

うーん

やはり、こういう繊細なスイーツは、日本で食べるのが一番いいんじゃないかな。。。

 

見た目もそうだし、海外のスイーツはどうも、こう、、甘さの強さが、、、

 

まあ、今回は私のことを心配してくれる同僚の顔を

潰すわけにもいかないので、適当に喜んで見せれば

いいだろう。

 

もともとテンション低い状態だった私は、無造作にひと口、

そのチーズケーキを口に放り込みました。

 

 

その瞬間です。

 

!!!!!!!!

 

ふわっふわの食感の中に濃厚でフレッシュなタマゴの風味!

 

イヤ味が無く、それでいて濃厚な甘さ!

 

口の中いっぱいに広がる、キャラメルの芳ばしい香り!

 

なんだ!? これは!!

 

 

「う、うまぁ、、、」

 

思わず日本語でつぶやいていました。

 

同僚を見ると、自信満々な顔つきです。

「どうだ?すごいだろ。ここは世界中から、

このチーズケーキのファンが集まる店なんだ。」

彼のセリフもうなづけます。

 

と同時に、気が付いたんです。

 

この店に入ってきたときに背負っていた、

疲れや孤独感、ストレスまみれの自分が、

きれいさっぱり吹き飛んでしまっていることに。

 

これだ!と思いました。

 

 

子供のころから、おぼろげに抱いていた料理への興味。

 

前職から逃げるように、足を踏み入れた飲食業。

 

でもどこか、自分の中で確固たるものが見つかっていませんでした。

 

飲食業、料理の世界、それらしい響きです。

 

でも、そのなかで一体自分は何がしたいのか?

何をすべきなのか?

 

それが見当たらないことで、自分に自信が持てなくて、

前に進んでいる気がしなくて、、、

 

だから自然と、辛いことばかりに目が向いて、

すぐに逃げようとする自分を押し留めるだけで精一杯でした。

 

でも、いま、こんな形で、

 

見つかったんです。

 

確固たるものが。

 

自分のやりたいことが。

 

実感したんです。

 

料理のチカラを。

 

それを、私も、提供したい。

人に味わってほしい。

 

 

 

「Mila esker!(バスク語:ほんとうにありがとう!)」

心の底から、同僚に告げました。

 

それから、サンセバスチャンに滞在中は、

折を見て「ラ・ヴィーニャ」に通いつめました。

 

何度も何度も、あのチーズケーキを食べ、

味を舌に覚えこませました。

香りを鼻にしみ込ませました。

食感を身体に叩き込みました。

 

「ラ・ヴィーニャ」のスタッフは、やがて、

あまり言葉のできない私でも、何度も通うことで

気安く接してくれるようになりました。

 

そして帰国間近のある日、勇気を振り絞って言ったのです。

「私に、チーズケーキのレシピを教えてください!」

 

 

日本に帰った私は、前の上司がオーナーのスペイン料理店に

戻ったのですが、以前の私とは明らかに仕事に対する姿勢が変わっていました。

 

もちろん、仕込みや営業で忙しい傍らでも、チーズケーキのことは忘れません。

 

レシピを聞いたからって、同じものが作れるワケじゃないのです。

 

そもそも、私が手に入れたレシピは、

私が知っているどのチーズケーキのレシピとも全く異なるものでした。

 

加えて、スペインと日本では手に入る材料も違います。

 

食べる人も違います。

 

大切なのは、あの時感じた感動です。

 

あれを完全再現するために、どうすれば良いのか?

 

研究に研究を重ねました。

 

小麦粉をほとんど使わない生地。

 

その生地を丸一日寝かさなきゃいけないこと。

 

タマゴの種類と分量と、チーズの種類と分量と・・

 

なにより焼き加減が難しい!

 

ちょっと引くほど失敗しました。

 

でも、あきらめられませんでした。

というより、あきらめるという選択肢を思いつきませんでした。

 

その間に、オーナーの息子さんから託され、私はシェフの座に就きました。

 

そうして迎えた2017年秋、正式なメニューではありませんが、

「ラ・ヴィーニャ」のチーズケーキをデザートして販売開始したのです。

 

おかげさまで、チーズケーキは大好評をいただき、ファンも付きました。

 

そして2018年5月、いろんなご縁をいただき、本格的なネット販売に踏み出すことができたのです。

 

「ラ・ヴィーニャ」のチーズケーキから名前を変え

「たっぷり卵のねっとりベークドチーズケーキ」としました。

 

正直、材料費がかかりますし、仕込みに手間もかかります。

 

スペイン料理店のシェフである以上、そちらの仕事も手が抜けません。

 

なので、ご注文からお届けまで、すこしお待ちいただくことになります。

でもね、これだけは自信を持って言えることがあります。

 

もしあなたが、なにか壁にぶつかってたり、

疲れ切っていたり、ストレスでどうにもならなく

なっていたとしたら、ぜひ本当に美味しいものを

食べてください。

 

問題の直接の解決にはならないけど、

そのためのパワーを得ることが、きっとできます。

 

そして、そんな料理がどこで食べられるのか

思いつかないときは、私のチーズケーキを試してみてください。

 

かつて、遠い海の向こうで、疲れ切っていた一人の

若い料理人を救った味を、あなたに届けます。

 

それが、私の、確固たるミッションなのです。

最後までお読みいただき、まことにありがとうございました。

長澤 邦弘

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